1秒前
作詞作曲 森泉智
夜から抜け出して 朝を探してた
僕の行方はもうわからず
千切れそうな耳に手を当ててみれば
乾いた鼓動がやけに響く
崩れそうな日々を 繰り返すたびに
身体を丸め 息を殺した
夢から覚めれば 鈍色の陽ざしが
窓を叩いて急き立てるんだ
逃げないでいたんじゃなくて
足がすくんでいただけで
錆び付いた日常に また縋るの
いつだって そうだ 僕は怖がりで
間違った日を 遠ざけていた
どこにでも行けるからこそ
はじめの一歩が踏み出せない
呼吸の仕方を気に留めた時に
なぜか息苦しくなること
疲れた身体が意識を包んで
瞼の裏を見つめたまま眠れない
もう何度も迷って もう何度も転んだ
擦りむいた傷の血で 錆びついた日常が
彩った風景画には 前を歩く人が居て
薄らいでいく影に 手を伸ばした
夜から抜け出して 朝を探してた
君の行方は
間違った日も 僕の手を引いた
大きな手は ここに確かに
笑うくらい歪で悴んだ手が
この微かな熱を見つけた
いつだっけ そうだちょうど一秒前の
伸びた手を引くのは僕で
今になってわかることもあって
同じ様にいつか気付くさ
どこにでも行ける世界で
散々迷って出した不正解だ
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